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【ライチョウ保護の絵はがき】

 

  山に入る人は、カラスとキツネの餌になるゴミを、絶対に残さないことです。それをお伝えする ライチョウ保護の絵はがき を作りました、これを印刷してどんどん配ることにご協力ください。 (現在までに約15万枚を印刷して配布しました

 

 

  絵はがきの写真はこのように数種類ありますが、どれでも1000枚を5000円で作ることが出来ます、提供者としてお名前をお入れします(zero@qb3.so-net.ne.jp へ)ので、どうぞ多くの人に渡してくださるようお願いします。名刺の裏をライチョウの写真にしてお作りすることも、始めました、絵も費用も絵はがきと同じです、お好きな絵をご指定下さい。これは自分が使っていても有効です。名刺をお渡しすたびにライチョウ保護に協力していることになるのです。

 

  上高地で張り子の雷鳥を子供さんたちと作って、これを貯金箱にして募金を集めました、上高地アルペンホテルで8年間で約10万円、これを役立てようと、作り始めたのがこの絵はがきです。

   

  ライチョウが絶滅危惧種Ⅱ類から絶滅の危険が増大という絶滅危惧種ⅠB類に格上げされたのです。絶滅したトキの跡を追っています。台湾ではこれを瀕危と言っています。まさにその通りです。

 

  氷河期の生き残りとして、日本アルプスに生息するライチョウは冬は白く、夏は茶色になる、人を恐れない、日本にしか居ない素晴らしい鳥です。足に毛が生えているのはその生態を現しています。ついに1700羽に減りました。

 

  その最大の原因は、人が山に持ち込む食料と、それをゴミとして残すことにあります。カラスや狐は、昔は山に居なかったのですが、最近は人間の残す食料を目当てに山に登るようになりました。

 

  その彼らは、ライチョウの雛を見ると、格好のご馳走だと思うのでしょう。

  ライチョウの新しい天敵としてカラスや狐が現れました。このことを考えると、実は最大の天敵は人間と、それが残すゴミだったのです。

 

  山に残すゴミをゼロにしたいのです。そうすれば捕食動物が減ります。

 

  その啓蒙の絵はがきです。1000枚単位だと安く作れます、名刺も同じくです

 

  絵はがきは登山者の通る所において、どんどん持って行ってもらいたいと思っています。

 

  今、制作や配布にご協力下さる方はお願いします。(zero@qb3.so-net.ne.jp にお知らせください)

立山室堂山荘では大量に作って配って頂いています。南アルプスの小屋に今年から歩荷してくださる方が手をあげて下さいました。

 

  今は、絵はがきを安く作れるようになったので、絵はがきですが、数年前はA4で作っていました。下の写真はその時のものです。最近の絵はがきは、上の写真です。

 

 

 

 

【山のライチョウ保護の絵葉書】

 

 ライチョウがいよいよ絶滅危惧種の中でも位の高い絶滅危惧Ⅰbになりました。いよいよ危ないと人工飼育がはじめられようとしています。トキの絶滅前のころを思い出しましょう。 

 もっと早くに何をしていたら、日本のトキを絶滅に追い込まなかっただろうか、を考えてみると良いです。

 トキの場合は人間の農薬です。佐渡ヶ島の農家が農薬を使わないで、消費者のみんなが、佐渡の無農薬のコメを高く買っていたら。ドジョウの農薬汚染が起きず。トキは生命力高く、飛び交っていたと思います。

 

 ライチョウを追い詰めるものはいろいろあります。冬の雪の層に氷の層が出来てライチョウが潜れなくなったら。温暖化で餌の高山植物の芽が早く出てしまったら。異常気象で抱卵中の親や、育雛中の親を、豪雨が襲ったら。人間のウンチから病気が伝染したら。鶏の病気が移ったら。天敵が増えたら。といろいろ研究されています。

 

 その中で一番影響の有りそうなのが、山に人間が持ち込む食料のゴミ、それを目当てに山に上がるカラスとキツネです。カラスとキツネがライチョウの新たな天敵になっています。

 

 この対策は、私たち普通の人に出来ることなのです。研究者の成果を待たずに、解っていることはやりましょう。

 多くの登山者に知ってもらおうと、ライチョウ保護の絵はがきを作りました。1枚5円で出来ます。上に見本をお見せしました。これを配りたい方は、印刷の申し込みをお願いします。

 

 1000枚5000円です。印刷物の、提供者としてのお名前を下さい。入金を下さり連絡を下さると。14日以内に現物をお届けします。ドンドン登山者に配っていただきたいと思います。

 

 近くにライチョウ保護募金箱を置いておかれることをお勧めします、お金が集まったら、またドンドン作って配りましょう。

 

  氷河期の生き残り、高山に棲む可愛い日本ライチョウは、人の生存条件を先取りしています。ライチョウ保護を考えると、人の生き方に考えが及ぶのです。 トキの絶滅は、人のエゴで起きました。ライチョウも登山者の不注意で、ピンチに追い込まれています。同じ人の行動が、実は人間を追い詰めていることを考えましょう。

 

 ライチョウが住んだ日本の氷河はもうありません。その姿の痕跡はこのホームページのそこここにあります。一方ヒマラヤの氷河は今生きています。地球温暖化の影響で融けて後退を続け、そこに氷河湖が出来て氷河湖決壊洪水の危険のある湖が増えています。その氷河湖の心配もしています。「氷河池」で検索下さい。 氷河とライチョウは同じ地球環境の問題の中にあります。

 

   

   【私のライチョウ保護活動】                                                                           大森弘一郎

 

 私はライチョウの研究者ではありません、無理して言えば保護推進者でしょうか。それともライチョウ愛好者でしょうか。 遥か昔、山岳部で歩いていたころ、1時間歩いて10分休むと言う型にはまった歩き方は、自然との付き合い方ではないように思えていました。

 そこで景色が良ければ休む、ガラガラの所は2時間でも歩くと言う歩き方をして、これを喜ぶ後輩が居たり、嫌がられたりもしていました。

 

 私の好みを知っていたメンバーは、疲れてくるとライチョウを探して、「あ、ライチョウがいましたよ」 「よし休もう」 と言うことが良くあったのです。北鎌のA稜で岩に跨っていた時に見た、向かいの尾根から真剣にこちらへ向かって飛んで来るライチョウの迫力は、今も脳裏にあります。

 

   こうして私はライチョウが好きになりました。しかし考えてみると、知識不足であったのでしょう、ライチョウの写真を撮ろうと追いまわしていた、とんでもない悪い人間であったのです。  

 

 

  自然保護に関心を持ち、次第に自然のことが判って来るに従い、ライチョウの価値が判って来ました。氷河期の遺留種として高山に追い上げられて、高山で2万年生き延びてきたライチョウ、その高山で今人間に追い詰められていることを知りました。

 

   ライチョウを守ろうと言うことは、身勝手な人間に自制を求めることでもあります。彼らの生活圏を脅かさず、遠くから見守りながら、ゴミ放置などの悪条件を作らないように気を付けようと言う姿勢です。

 

  この人間に求められる「環境に配慮した自制」は、人間の社会でも必要なことでもあったのです。地球環境問題の温暖化の危惧は人が身勝手に生活をエンジョイした結果のツケだと思いますが。ライチョウのためにと自制することを学んだ人間は、それを自分の身近な生活圏においても発揮して、人間に住みよい未来を作ってくれるでしょう。

 

  ライチョウの生活を脅かすものは、高山帯の良い生活環境を温暖化と人間の圧力で壊されることです。2万年の間には、縄文時代のような温暖な時期もあったようです。それを乗り越えられたのは、多分その時は、人間が未だ山登りを知らず、彼らに人間の作る圧力が及ばなかったからでしょう。

 

  今度は同じ条件ではありません。今度の温暖化は人間が自然に逆らって急速に作っているもののようです。周囲の条件が大きく変わっています。ライチョウを絶滅危惧種だと言っている人間が、自分も絶滅危惧種かと、自分の足元を見なければならないようです。

 

  ライチョウと人間は同じ運命の舟に乗っていると思われます。それならライチョウを見ていることは、自分たちを見ていることであり、ライチョウのためにと思うと同じ姿勢を、人間圏にも取ればより。

  つまりライチョウを見ることは、人間の未来を見ることではないか。そのように人間の鏡としてライチョウは居てくれるのではないか。そんなことを考えます。

 

  さて研究者でもない私が、ライチョウのために何が出来るか。広く一般の人々にもライチョウのことを知って貰い、またライチョウの現状より学んでもらいたい。研究者が研究をするだけでなく、そこから得られるものを広く人に知って貰い、ライチョウの保護に活かすとともに、ライチョウから学んで貰いたい。そんな願いを持ちます。

 

  その作業は未だ始まったばかりですが、私のやっている小さいことを少し

 

ご報告します。

 

  それは夏休みに上高地に来る子供さんや親御さんに、ライチョウのお話や自然保護の話をしながらライチョウの姿をした張り子の貯金箱を紙を貼り合わせて作って貰うことです。 初めは粘土で遊んでいたのですが、そのうち思いついて粘土で作ったライチョウを型にして、ライチョウの張り子を紙で作ってみました。 それを原型にしてその上に紙を貼り重ねて張り、それに切れ目を入れて、割ります。

 

    そこで張り子から型が出て来た時、子供たちが 「わあ生まれた」 と歓声を上げたのがヒントになりました。(写真)


   試行錯誤はありましたが、上高地のビジターセンターのテラスで、ライチョウの本を並べたそばで、穂高を見ながら、あそこにこのライチョウは住んでいるんだよぉ、と話しながら、ライチョウの型(今は沢山あります)を使い、子供たちに張り子のライチョウを作って貰うのです。

 

   時には親の方が熱心になることもありますが。何とか形になったライチョウを、家に帰ってからさらに紙を貼り重ねて、強くして、羽根を描いて、お金を入れる穴をあけて、完成したものは、その子供さんの宝物になるようです。 出来たライチョウの写真を送ってもらったり、作品展で一等になったとか、机の上において毎日眺めているとかのお便りを頂きます。

 

  自然保護の話は、話をした時で終わります。インタープリターも現場の思い出は残るでしょうが記憶の中です。この 「自分で作ったライチョウ」 は、いつも身近に居て、自然に対するライチョウの声をいつも繰り返し聞かせてくれているようです。 

 

  自分で作ったライチョウを毎日眺め,可愛がりながら、知らず知らずの内にライチョウや自然保護問題のことが心に沁み込んでくれれば良いな。

  この次の夏は、もう少し準備して、上高地や奥志賀でより多くの子供さんたちと遊んでみたいなと思っています。

  ライチョウは、自分の生存を賭けた環境の中での水先案内人であるのです。それから何を学ぶかは人間の側にあることですが。


zero@qb3.so-net.ne.jp