【珍名迷発明集】

 

  名発明と迷発明は何が違うのでしょうか。商品として成功すれば名発明、埋もれたままなら迷発明となるのですが。発想が豊かであればある程。名と迷は接近して来ます。

  失敗にめげず、成功を信じて楽しんでいる。迷発明の中の面白いものをご覧に入れます。

 

【花粉症に効く杉の雄花】
  

 

 

  そろそろ辛いシーズン到来です。まず今お役に立つことをご報告します。まだ間に合います。
  私はひどい花粉症で苦しんでいました。過去形です。ティッシュの箱を抱えて歩いていた時や、瞬きで目が開けられず車の運転が怖かった時や、目を取り出してゴシゴシ洗いたいような気持になったこともあります。しかしこれも過去のことで、今は忘れていて起きません。どうしたか。

  ある時、杉花粉シーズンの少し前の風雨のあとにスギ林に偵察に行き、雄花をつけている一枝を拾って帰りました。玄関の棚に置いて、毎日「負けないぞ」と睨んでから外出する。その内数日して雄花が熟して、枝の下に花粉が落ちて真黄色になっていました。ゾーとする情景です。

 

  ドキリとしましたが、舞い上がらない花粉が家の中に居ることはどうも有効のようでした。どうもアロマが有効のように思えました。
  そこで雄花の付いた杉の枝を大きい瓶の中にいれて、目の細かい布で蓋をして縛り、花粉が万が一にも出ないようにして、枕元に置きました。これも有効のようです。部屋に花粉をおくことはお勧めです。上の写真が古くなっていますがその時の瓶です。


  次に雄花を採取し煎じてみました、少しヤニ臭い紅茶のようなものが出来ます。これの飲用も有効でした。濃縮液を作って冷蔵庫の製氷室で凍らして冷凍庫に保管し、これを毎日1個づつ溶かして沸かし、飲んでみましたこれも有効。同病の友人に分けてあげて感謝されました。
  親しい医者に聞いたところ、減感作療法と言うのが有るぐらいだから、これは良いかも知れないよ、とのことでした。
  その後花粉を飴に練りこんだ商品が出て来ました。
  こういうのは特許にもならないし、多数のモニターによる実証実験も出来ない。ただ自分が治ると言う目的は達成しているので、満足して楽しかった訳です。これは効果があると信じています。特にこのアロマの効果というのは調べてみたいテーマです。
  花粉のたわわな枝を瓶に入れて、紙で蓋をして、部屋に置いておくことは、お勧めします。雨の日にスギ林に行って、濡れた杉の枝を採取してきて、瓶の中で乾かせば、それでOKですから、お勧めします。

 

【夜空のスクリーン】

 

  夜空に山や、大きな映像が写ったらさぞ面白いだろう。不思議にもこういうことは夏になると思うのです。
  霧の幕が出来てそれに投影したら良いと、さっそく下から霧を吹きあげる装置を作って庭でビシャビシャになる実験です。いわば水遊びです。ふきあげる水の粒の中に小さい霧の粒を混ぜる。
  高圧といっても水道の水圧で、シャワーをふきあげ、その前に金網を置くと見事に霧が出来上がります。
  これは面白いと、暗い夜空のある箱根のホテルで試みました、そこでは映写する画像が見事に写ってくれました。プロジェクターのすぐ横から見ると見事な映像なのですが。しかし霧の幕に写った画像を違う角度から見ると画像がぼやけてしまうのです。

  あとで思えば当然のことですが、吹きあがる霧には厚みがあります、そのために画像の反射に奥行きが出てしまうのでした。そのうち風が吹いて来て、霧が流れると、もうダメ。いかにして霧を或る厚みの幕にするか。
  これは未だに頭に残っている課題です。


【一灯信号】

 

  今ほどLEDの機能が認知されなかったころのことです。クリスマスが近づくとLEDの飾りが街にちらほら見られます.それを見るとこれで信号は出来ないかと考えます。色覚異常者にも役立つものが作れるのではないかと。初めは〇×△を3色で表すものは出来ないかと考えました。
  次に信号は丸だと言うことが解り、次は丸の中に〇×△を陰像で出すものを作りました、信号に必要な照度は持っています。ついでに陰像の所を短い点滅にして、色覚異常者にのみ解るものを作ってみました。出願もして見ました。
  その試作の過程をご覧に入れます。だんだんうまくなった試作の過程もご覧に入れようと写真を準備中です。


  一灯で、全ての指示が出来る信号は、1/3の重さで軽くて安全で、現状との切り替えも便利で、と良いことずくめだと思って警察庁と相談をするところまで行きました。そこで最後に解ったことは、ISOには信号は3灯であると言うルールがあり、それに日本も近く加盟すると言うことなのです。これが決定的な引導となり、あえなく開発中止。
  もちろん交通信号以外の標識には使えますが、ちょっと夢が縮まりますね。その工作と配線のノーハウだけが残った次第。
  実物大の試作品で、遠距離からの視認度を調べたりと、あと一歩の所まで行ったのですが。

 

【紙管を巻く】


  これは今から50年ぐらい昔のことです。これが今も会社の稼ぎ頭となっている嬉しい経験です。
  職務発明ですから、あまり詳しくは書けません。紙を15mmの厚みの管に巻くというテーマに取り組んだ時のことです。
  接着と言うのは、糊が少ないほど良い、紙は薄いほど良い、機械は使い古された方が良い、と言う常識と逆のことは始めての苦労ののちに解ったと言う貴重な体験です。

  多くの紙の帯を巻くと、径が太くなるに従って径が変わり、巻かれる紙の入る角度が変わってきます。それに対する対策を考えたのが、次のミソです。これは特許になっています。

  この発明の成果のことはともかく、糊との格闘は今でも楽しい思い出です。作業服がサイの皮のようになり、脱いでも立っているのです。成功した開発の体験の思い出は、次の力になります。
  これは最後に歩留まりが106パーセントになると言う、愉快なおまけまでつきました。なぜだか解りますか。